2011/9/26

環境・通信・その他

ロシュやグラクソの抗肥満薬、EMAが肝障害との因果関係調査

この記事の要約

欧州医薬品庁(EMA)は22日、抗肥満薬のオルリスタット(Orlistat)と肝障害の因果関係について詳細調査を開始すると発表した。オルリスタットを服用した患者の中で、ごく少数ながら急性肝不全など重篤な肝障害を起こすケー […]

欧州医薬品庁(EMA)は22日、抗肥満薬のオルリスタット(Orlistat)と肝障害の因果関係について詳細調査を開始すると発表した。オルリスタットを服用した患者の中で、ごく少数ながら急性肝不全など重篤な肝障害を起こすケースが報告されたのを受けた措置。オルリスタットを有効成分とするスイス・ロシュの処方薬「ゼニカル(Xenical)」や英グラクソ・スミスクライン(GSK)の市販薬「アライ(Alli)」などが調査の対象となる。

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オルリスタットは脂肪分解酵素リパーゼの働きをブロックして、食事に含まれる脂肪分の吸収を抑制する効果があり、肥満治療薬として広く使用されている。EMAによると、2008年8月-11年1月にオルリスタットを服用した患者が肝障害を起こしたケースが21件報告され、このうち4件は重篤な症状を示した。また、1997年-2011年に報告された重篤な肝障害のうち、21件はオルリスタットの副作用である可能性があるものの、他の要因も否定できないという。EMAは世界でおよそ3,800万人に上るオルリスタットの服用者全体の状況に基づいて、肝障害との因果関係を慎重に見極める必要があると指摘している。

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