2011/10/24

産業・貿易

EU企業のR&D投資、昨年は6%増

この記事の要約

欧州委員会が18日発表した「EU産業R&D投資スコアボード」によると、EU域内の企業による研究・開発(R&D)への投資額は2010年に前年比6.1%増を記録し、2.6%減となった09年から大幅に回復し […]

欧州委員会が18日発表した「EU産業R&D投資スコアボード」によると、EU域内の企業による研究・開発(R&D)への投資額は2010年に前年比6.1%増を記録し、2.6%減となった09年から大幅に回復した。ただ、世界的にみると、EU企業は米国やアジアなどの競合相手と比べてR&D投資の伸びで後れをとっていることが明らかになった。

\

R&D投資スコアボードは欧州委が世界の優良企業によるR&D投資の動向を毎年まとめているもので、最新版では10年度の投資額上位1,400社(EU企業400社と域外企業1,000社)のデータが公開された。これによると、世界全体のR&D投資は09年の前年比1.9%減から10年は4%増と好転した。地域別にみると、米国企業の投資額は09年の5.1%減から10年は10%増と急速に回復。アジア企業は引き続き活発なR&D投資を行っており、中国と韓国企業の投資額はそれぞれ前年比29.5%、20.5%の伸びを記録した。

\

一方、R&D投資の上位50社の内訳はEU企業が15社、米国18社、日本13社となっている。スイスのロシュが72億ユーロで全体のトップに立ち、米ファイザーが70億ユーロで2位と、大手製薬会社が上位を占めた。EU企業では独自動車大手フォルクスワーゲンが63億ユーロで6位につけ、11位ノキア(49億ユーロ)、13位ダイムラー(48億ユーロ)、14位サノフィ・アベンティス(44億ユーロ)と続いている。なお、スコアボードにランク入りしたEU企業400社の内訳をみると、およそ3分の2がドイツ、英国、フランスに集中しており、これら3カ国の企業による昨年のR&D投資は前年比でそれぞれ8.1%、5.8%、3.8 %の伸びを示している。

\