2011/10/24

競争法

デクシアの公的救済、欧州委が暫定承認

この記事の要約

欧州委員会は17日、フランス・ベルギー政府による両国系大手銀行デクシアの救済策について、金融の安定に必要な措置として暫定的に承認した。6カ月以内に両政府にデクシア再建計画を提出させた上で、改めて本格的な調査を行い、同措置 […]

欧州委員会は17日、フランス・ベルギー政府による両国系大手銀行デクシアの救済策について、金融の安定に必要な措置として暫定的に承認した。6カ月以内に両政府にデクシア再建計画を提出させた上で、改めて本格的な調査を行い、同措置がEUの公的支援ルールに合致しているかどうかを判断する。

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地方自治体への融資を中核業務とするデクシアは、ギリシャに端を発した信用不安の影響で資金繰りが悪化し、事実上の経営破たんに追い込まれ、フランス、ベルギーおよびルクセンブルク政府が10月初めに救済に乗り出していた。

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救済策は、3カ国が900億ユーロの政府保証を供与して不良債権処理を進めさせると同時に、ベルギー部門を同国政府が40億ユーロで取得し、国有化するという内容。フランス部門は新銀行を設立し、自治体への融資業務を続ける。ルクセンブルク部門はカタールの投資家に売却される。

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EUでは民間企業の公的救済には厳しい制限があり、欧州委が競争法に照らして可否を審査することになっている。欧州委は救済策の中核となるベルギー部門国有化について、「金融の安定に不可欠」として、暫定的に承認。提出される再建計画に基づいて、本格的な調査を進める。ベルギー部門の取得価格が妥当か、再建計画でデクシアの長期的存続が確保されるかどうかが審査の焦点となる。

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