2011/12/5

産業・貿易

EUが対イラン制裁を強化、原油禁輸も検討

この記事の要約

EUはブリュッセルで1日に開いた外相理事会で、イランの核開発計画に対する懸念が深まったとして、同国に対する追加制裁の実施を決定し、2日付けで新たに143の組織と37個人を、資産凍結などの制裁対象リストに追加した。\ 一部 […]

EUはブリュッセルで1日に開いた外相理事会で、イランの核開発計画に対する懸念が深まったとして、同国に対する追加制裁の実施を決定し、2日付けで新たに143の組織と37個人を、資産凍結などの制裁対象リストに追加した。

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一部の加盟国からはイラン産原油の禁輸を求める声もあったが、域内最大の輸入国であるスペインや、イラン産原油に大きく依存するギリシャの反対もあり、今回の実施は見送った。同理事会は今後もさらに、イランの金融、輸送、エネルギー産業を対象とした制裁について検討を続ける方針だ。EUは昨年7月にも、ガス生産・精製の関連分野における新規投資や技術支援、技術移管を禁じる措置を実施しており、イラン企業290社、78個人が制裁の対象となっていた。

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今回の制裁強化は、国際原子力機関(IAEA)が先月発表したイランの核開発計画に関する報告書を受けての措置。報告書は、イランが核兵器を開発している可能性を強く示唆していた。

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一方、先月29日に発生したイランの英国大使館襲撃事件について、同理事会は「EU全体を標的にした動きだ」との見解を示し、イラン政府を厳しく非難した。この問題では同30日に英国が在テヘラン大使館を閉鎖したほか、独仏蘭が駐イラン大使を召還、ノルウェーも大使館を一時閉鎖している。また、イランも在英大使館を閉鎖し、3日未明までにすべての職員を英国外に退去させた。

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