2011/12/12

産業・貿易

EUが格付け会社を調査、判断の妥当性めぐり

この記事の要約

EUの欧州証券市場監督機構(ESMA)は6日、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)など格付け会社が国債などの格付けを適正に行っているかについて、調査していることを明らかにした。今月中に調査を終え、来年4月ま […]

EUの欧州証券市場監督機構(ESMA)は6日、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)など格付け会社が国債などの格付けを適正に行っているかについて、調査していることを明らかにした。今月中に調査を終え、来年4月までに報告書をまとめる予定。不正が発覚した場合は、業務停止を含む厳しい制裁を科す方針だ。

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ESMAの広報によると、調査はS&P、ムーディーズ・インベスターズ・サービス、フィッチ・レーティングスの3大格付け会社などを対象に、11月に開始された。事業所に立ち入り調査を行い、国債などの格付けの手法や手続きが適正どうかをチェックしている。格付け判断に際して利益相反など不正が確認された場合は罰金支払い、格付けの無効化、業務停止に踏み切るとしている。

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EUでは格付け会社によるギリシャなどの国債の格下げがユーロ圏の信用不安を悪化させたとの見方があり、格付け会社への監視を強化している。欧州委員会は11月に規制強化案を発表したばかり。同時に、格付け判断の妥当性を疑問する向きもあり、欧州中央銀行(ECB)のノワイエ理事(仏中銀総裁)は先ごろ、S&Pの格付けが実態に即しておらず、政治的な判断が働いていると批判していた。

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