2011/12/19

総合 –EUウオッチャー

アイスランドの加盟交渉前進、新たに4分野が完了

この記事の要約

EUとアイスランドは12日に行った加盟交渉で、新たに4分野での交渉を完了した。これにより、35に上る交渉分野のうち8分野で交渉を完了したことになる。\ 新たに交渉を完了したのは「会社法」「企業・産業」「司法・人権」「交通 […]

EUとアイスランドは12日に行った加盟交渉で、新たに4分野での交渉を完了した。これにより、35に上る交渉分野のうち8分野で交渉を完了したことになる。

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新たに交渉を完了したのは「会社法」「企業・産業」「司法・人権」「交通インフラ」の4分野。さらに同日には「金融・予算」での交渉を開始した。

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アイスランドはEU加盟をあえて避けてきたが、2008年の金融危機で大きな打撃を受けたことをきっかけに、2009年7月に加盟を申請。今年6月に加盟交渉を開始した。

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アイスランドは欧州経済領域(EEA)に参加していることから、国内法とEU法の調和が進んでおり、加盟交渉のハードルは中東欧諸国やトルコと比べて格段に低い。唯一、大きな難航が予想されるのが漁業分野での交渉。アイスランドはEUより厳しく漁業資源を管理しならが漁業水域を保全してきたが、EUに加盟すると共通漁業政策に組み込まれ、統制権を失うことになるためだ。

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アイスランドは2010年、大西洋北東海域のサバ漁の漁獲枠を一方的に引き上げたことがEUの反発を招き、域内の港でのアイスランド漁船によるサバの水揚げが禁止されている。同問題の解決が、漁業分野での交渉開始の前提となる。

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