2011/12/27

産業・貿易

英政府、投資銀行とリテール部門の分離案承認

この記事の要約

英政府は19日、銀行に投資銀行業務とリテール金融業務の分離(リングフェンス)を義務付ける金融規制改革案を承認した。英銀行独立委員会(ICB)が9月に出した勧告に基づき、投資銀行部門のリスクがリテール部門に及ぶのを防ぎ、銀 […]

英政府は19日、銀行に投資銀行業務とリテール金融業務の分離(リングフェンス)を義務付ける金融規制改革案を承認した。英銀行独立委員会(ICB)が9月に出した勧告に基づき、投資銀行部門のリスクがリテール部門に及ぶのを防ぎ、銀行システムの安定性向上を図るのが狙い。2015年までの法制化を目指す。

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改革案では、中核的自己資本比率を10%以上に高めることを義務付けるほか、経営が悪化した際に損失を吸収、もしくは資本増強に充てるための資本としてさらに7~10%の上乗せを求める。また、リテール部門から投資銀行部門に貸し付けられる金額に上限を設けることなどが盛り込まれている。

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オズボーン財務相は、「リングフェンスで銀行破たんを防ぐことはできない。ただ、銀行が経営危機に陥った場合でも、家計や企業、経済全体にとって不可欠な銀行システムを、税金を投入することなく維持できるという点が重要だ」と述べた。

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英政府は規制改革に伴い銀行業界が負担するコストを35億~80億ポンドと見込んでいる。市場では、こうしたコストは顧客に転嫁される可能性があるほか、銀行が規制の及ばない海外に事業を移す動きが加速することも考えられるとの声が出ている。

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