2012/2/27

産業・貿易

欧州委員がボルカー・ルールを批判、米政府に「国際的な調整」要求

この記事の要約

欧州委員会のバルニエ委員(域内市場・金融サービス担当)は23日、米政府が銀行の自己勘定取引を禁止するいわゆるボルカー・ルールを「一方的に」導入しようとしていることに対して強い懸念を表明し、同ルールの実施には国際的な調整が […]

欧州委員会のバルニエ委員(域内市場・金融サービス担当)は23日、米政府が銀行の自己勘定取引を禁止するいわゆるボルカー・ルールを「一方的に」導入しようとしていることに対して強い懸念を表明し、同ルールの実施には国際的な調整が不可欠だとの考えを明らかにした。

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今年7月に施行予定のボルカー・ルールは、預金受け入れ金融機関による高リスク取引を制限する目的で、2010年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)に盛り込まれた規定。ボルカー元連邦準備制度理事会(FRB)議長にちなんでこう呼ばれている。米国で活動するすべての大手金融機関が規制の対象となるが、各国政府、中央銀行、規制当局などは国外の銀行が米国以外で展開する事業にも同ルールが適用される可能性があるとして警戒感を強めている。

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バルニエ委員はワシントンで開かれた会議で「他国や海外の資本市場にあまりにも大きな影響を及ぼす米国のルールが、いかなる国際的な調整も受けずに実施されることを認めるわけにはいかない」と強調。米国債の取引を例外扱いする一方、米国債以外の国債の取引を制限する「二重基準」も問題視し、「一方的なアプローチは分裂と無効力につながる」と指摘した。

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