欧州委員会が2月28日発表した同月のユーロ圏の景況感指数(ESI、標準値100)は94.4となり、前月の93.4から1ポイント上昇した。景況感の改善は2カ月連続。信用不安が落ち着きつつあることが反映されたもようだ。
\ESI はEU内の企業経営者約13万人と約4万人の消費者を対象に、毎月最初の2週間に実施する聞き取り調査を通じてまとめられる。2月はサービス業を除いて前月から改善。上げ幅は製造業が1.2ポイント、消費者が0.4ポイント、小売業が1.2ポイント、建設業が3.6ポイントとなっている。
\EU27カ国ベースのESIは、前月を1.1ポイント上回る93.9だった。
\ユーロ圏経済は昨年10-12月期に0.3%のマイナス成長となった。欧州委は今年通期の成長率も0.3%のマイナスになると予想している。ただ、ギリシャに端を発した信用不安に好転の兆しが出ており、イタリアなど重債務国の国債利回りは低下傾向にある。英コンサルタント会社HISグローバルインサイトのハワード・アーチャー欧州担当主席エコノミストは、景況感が上向いていることについて「ユーロ圏経済が最悪期を過ぎたことを示している」と分析している。
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