2012/3/19

産業・貿易

北米との“ホルモン牛戦争”終結、欧州議会が和解合意を承認

この記事の要約

欧州議会は14日の本会議で、成長促進ホルモンを使用した米国・カナダ産牛肉の輸入禁止をめぐる通商紛争の解決に向けてEUが両国と結んだ和解合意を賛成多数で承認した。成長ホルモンを使わない牛肉の非関税輸入枠を年2万トンから4万 […]

欧州議会は14日の本会議で、成長促進ホルモンを使用した米国・カナダ産牛肉の輸入禁止をめぐる通商紛争の解決に向けてEUが両国と結んだ和解合意を賛成多数で承認した。成長ホルモンを使わない牛肉の非関税輸入枠を年2万トンから4万8,200トンに拡大する。ホルモン牛の禁輸は継続するものの、これにより「ホルモン牛戦争」と呼ばれた20年以上に及ぶ紛争が終結した。

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EUは発がん性のリスクなどを理由に、成長促進ホルモンを使用した北米産牛肉の輸入を1988年に禁止した。これに対して米国・カナダは、成長ホルモンへの懸念に科学的根拠はなく、禁輸は不当として、世界貿易機関(WTO)に提訴。勝訴した両国は、トリュフ、フォアグラ、ロックフォール・チーズといったEU産高級食品に100%の報復関税を課す制裁措置を99年に発動していた。

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同問題を解決するため2009年に結んだ合意は、EUは成長ホルモン牛肉の禁輸は継続するが、一般的な牛肉の輸入枠を拡大し、北米側は制裁措置を撤廃するという内容。欧州議会は賛成650、反対11の圧倒的多数で同合意の実施を承認した。EUは牛肉輸入枠を8月から拡大する。

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