2012/3/26

競争法

ユニバーサルのEMI買収、欧州委が本格調査

この記事の要約

欧州委員会は23日、仏メディア大手ビベンディ傘下のユニバーサル・ミュージック・グループが英音楽大手EMIグループのレコード部門を買収する計画について、本格的調査を開始すると発表した。初期調査の結果、ユニバーサルが買収によ […]

欧州委員会は23日、仏メディア大手ビベンディ傘下のユニバーサル・ミュージック・グループが英音楽大手EMIグループのレコード部門を買収する計画について、本格的調査を開始すると発表した。初期調査の結果、ユニバーサルが買収によって欧州レコード市場を寡占し、健全な競争が損なわれる恐れがあると判断した。欧州委は8月8日を期限に詳細な調査を行い、買収の可否を最終判断する。

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ユニバーサルは昨年11月、米金融大手シティグループ傘下のEMIグループをソニーと分割買収することで合意。ユニバーサルが19億ドルでレコード部門、ソニーが22億ドルで楽曲の著作権を管理する音楽出版部門を買収することになった。

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世界の音楽市場ではユニバーサル、ソニー、EMI、ワーナー・ミュージックの4大手が圧倒的なシェアを占めており、EMIの買収が実現すると3社体制となり寡占化が進む。欧州委は、ユニバーサルがビートルズなどの楽曲を保有するEMIを買収すると、欧州音楽市場で2位と比べて2倍近い規模に膨れ上がり、「競争が損なわれて消費者に悪影響を及ぼす可能性がある」として初期調査での買収認可を見送り、本格的な調査に着手することを決めた。

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ユニバーサルは声明で、今回の決定を「予想していた」とした上で、「欧州委の調査に引き続き協力していく」とコメントした。

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欧州委はソニーの音楽出版部門買収についても審査に着手しており、4月2日までに初期調査を終える予定となっている。

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