2012/3/26

競争法

IAG がヒースロー発着枠の一部放棄を提案、BMI買収認可に向け

この記事の要約

独ルフトハンザ航空の英子会社であるブリティッシュ・ミッドランド航空(BMI)の買収を決めたインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が、EUによる早期の買収認可に向けて、英ヒースロー空港で保有する発着枠の一部を […]

独ルフトハンザ航空の英子会社であるブリティッシュ・ミッドランド航空(BMI)の買収を決めたインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が、EUによる早期の買収認可に向けて、英ヒースロー空港で保有する発着枠の一部を手放すことを欧州委員会に申し出ている。22日付の英フィナンシャル・タイムズ(FA)が伝えた。

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ルフトハンザは赤字が続くBMIの身売りを決め、昨年12月に英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空の親会社であるIAGに1億7,250万ポンドで売却することで最終合意していた。ただ、買収成立には欧州委の承認が必要。IAGがBMI買収により、欧州の拠点空港であるヒースロー空港におけるBAと合わせた発着枠が大幅に拡大するという競争上の問題があることから、買収審査は難航が予想されている。

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EUでは合併・買収の可否について、欧州委が期間1カ月の初期審査を行い、問題があると判断すれば最長3カ月に及ぶ本格的審査に進むシステムとなっている。FA紙によると、IAGは3月30日が期限の簡易審査での買収認可を取り付けるため、BMIとBAがヒースロー空港で保有する発着枠のうち、英アバディーン、エジンバラ、カイロ(エジプト)、リヤド(サウジアラビア)便を対象に1日10回分の発着枠を放棄することを提案。しかし、これでは不十分として欧州委が難色を示したことから、さらに4回分の発着枠を手放すことを申し出たという。

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IAGには早期に買収認可を受け、取引を成立させる必要に迫られている。ルフトハンザが赤字のBMIを支えきれず、買収審査が長引くとBMIを閉鎖する方針を示しているためだ。ただ、これまでに提案した競争上の是正措置だけでは認可を取り付けるには不十分との見方も多く、FAは簡易審査で決着するかどうか不透明だと報じている。

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