2012/4/16

総合 –EUウオッチャー

ユーロ圏の失業率上昇加速、2月も過去最悪更新

この記事の要約

ユーロ圏の雇用悪化が止まらない。EU統計局ユーロスタットが2日発表した2月の失業率(速報値・季節調整済み)は10.8%となり、前月から0.1ポイント悪化。前月に続いてユーロ導入後の最高記録を更新した。(表参照)\ 失業率 […]

ユーロ圏の雇用悪化が止まらない。EU統計局ユーロスタットが2日発表した2月の失業率(速報値・季節調整済み)は10.8%となり、前月から0.1ポイント悪化。前月に続いてユーロ導入後の最高記録を更新した。(表参照)

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失業率上昇は10カ月連続。債務危機に直面するギリシャなど南欧諸国で、財政再建に向けた緊縮策が雇用悪化を招いている。とくに若年層の雇用が深刻で、25歳以下の失業率はユーロ圏全体で21.6%に達した。

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EU27カ国ベースの失業率は前月を0.1ポイント上回る10.2%。域内最高のスペインは前月から0.3ポイント悪化し、23.6%に達した。25歳以下は50.5%と、2人に1人が失業中という状況だ。

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このほか、ギリシャは12月時点で21%。アイルランドが14.7%、ポルトガルが15%と、債務危機でEUなどから金融支援を受けている国が高水準にある。イタリアも前月を0.2ポイント上回る9.7%まで悪化した。

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これと比べて、ドイツが5.7%、オーストリアが4.2%、オランダが4.9%と低水準にあり、南北間の雇用格差が急速に拡大している。

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債務危機は落ち着きつつあるが、緊縮策が景気悪化を招いて雇用を奪い、これが個人消費の落ち込みとなって景気が一段と冷え込み、財政再建を難しくしている。EUにとっては、この悪循環を断ち切ることが大きな課題となる。

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