2012/4/30

産業・貿易

中小企業への融資は依然低調、20%が「状況悪化」=ECB調査

この記事の要約

ユーロ圏の中小企業が引き続き銀行融資の獲得に苦慮していることが、欧州中央銀行(ECB)が27日公表した調査報告書で明らかになった。ECBは中小企業に対する融資を促すため、昨年12月以降、中小企業への貸し付けが多い銀行向け […]

ユーロ圏の中小企業が引き続き銀行融資の獲得に苦慮していることが、欧州中央銀行(ECB)が27日公表した調査報告書で明らかになった。ECBは中小企業に対する融資を促すため、昨年12月以降、中小企業への貸し付けが多い銀行向けに総額1兆ユーロ超を供給してきたが、企業への貸し渋りは依然として解消されておらず、欧州債務危機の発端となったギリシャなどでは半年前に比べて状況が悪化している。

\

ECBはユーロ圏に拠点を置く中小企業の資金繰りについて実態を把握するため、半年ごとに調査を実施している。今回のリポートはユーロ圏17カ国の7,511社(ほとんどが従業員250人未満の企業)を対象に実施した調査結果をもとに、昨年10月-今年3月の融資状況をまとめたもの。これによると、「銀行から融資を受けることが以前より難しくなった」と答えた企業が全体の20%を占め、前回調査の14%から拡大した。また、「銀行から融資を断られた」と答えた企業も半年前の10%から13%に増加した。

\

国別にみると、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルなどで銀行からの融資獲得が以前より困難になっているのに対し、ドイツ、オランダ、オーストリアなどでは全体として状況が改善されている。

\