2012/5/14

産業・貿易

危険な製品の流通減少

この記事の要約

欧州委員会は8日、危険製品緊急警告システム(RAPEX)の年次報告書を発表した。これによると、2011年の同システムによる報告件数は1,803件と前年の2,244件から減少した。報告件数が前年を下回ったのは2004年の運 […]

欧州委員会は8日、危険製品緊急警告システム(RAPEX)の年次報告書を発表した。これによると、2011年の同システムによる報告件数は1,803件と前年の2,244件から減少した。報告件数が前年を下回ったのは2004年の運用開始以降で初めて。

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RAPEXは、危険性のある消費者向け製品(食品、調剤及び医療機器を除く)の緊急警告システムで、消費者の健康と安全に深刻な危害を及ぼす可能性のある製品について加盟国間で迅速な情報交換を行うことを目的とするもの。欧州委は報告件数が減少した理由として、リスクを根源から断つ取り組みや、リスク評価の向上、税関をはじめとする加盟国当局間の緊密な協力などが成果をあげたと説明している。

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報告対象となった製品の産地は中国が最多で全体の54%を占めた。EUは19%、その他の国が15%、不明が8%だった。品目別では衣服・テキスタイルが27%と最も多く、玩具(21%)、自動車(11%)、家電製品(8%)、化粧品(7%)の順だった。

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欧州委のダリ委員(保健・消費者保護担当)は「EUに入ってくる危険な製品が減少したことは消費者にとって良いニュースだ。ただ、私たちは今後も取り組みを続けていく必要がある」とコメントした。

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