2012/5/28

競争法

欧州委、競争法問題でグーグルに自主的是正求める

この記事の要約

欧州委員会のアルムニア委員(競争担当)は21日、米インターネット検索大手グーグルをEU競争法違反で調査している問題で、同社が適切な是正策を提示すれば調査を終了する可能性があるとの考えを示した。\ 欧州委はグーグルが欧州の […]

欧州委員会のアルムニア委員(競争担当)は21日、米インターネット検索大手グーグルをEU競争法違反で調査している問題で、同社が適切な是正策を提示すれば調査を終了する可能性があるとの考えを示した。

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欧州委はグーグルが欧州の検索市場で独占的地位を乱用しているとのマイクロソフトなど競合企業からの訴えを受け、2010年11月に調査を開始した。アルムニア委員は、グーグルが◇競合企業の許可を得ずにコンテンツを「コピー」している◇他のサイトとの広告契約で競争相手を締め出している◇広告主がライバル社の検索エンジンでオンライン広告を打つことを制限している――などの点で競争法に違反している可能性があると指摘。そのうえで、グーグル側から欧州委が抱く懸念について協議したいと繰り返し申し入れがあったことを受け、「われわれが認識している懸念に対する解消策を示す機会をグーグルに提供する」と説明。グーグルのエリック・シュミット会長に書簡を送り、是正策を数週間以内に提示するよう求めたことを明らかにした。同委員は、「グーグルがこの機会を生かし当方の懸念に早急に対処するよう望む」と述べるとともに、検索市場のような「変化の早い市場」は、競争法上の問題が迅速に解決されることで大きな恩恵を受けるとの認識を示した。

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欧州委が競争法違反をめぐるケースで正式に制裁を決定する前に和解による解決を図った例は過去にもあるが、交渉は通常水面下で行われ、今回のように公表されるのは異例のことだ。その背景には、技術革新や市場競争が極めて速いペースで進む昨今の状況を受け、早期に問題を解決したいという思惑があるとみられる。

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