2012/5/28

競争法

マスターカードの国外手数料は違法、欧州裁がEUの廃止命令を支持

この記事の要約

欧州司法裁判所の一般裁判所は24日、クレジットカード大手マスターカードにカード会員が国外で買い物をする際に加盟店から手数料を徴収するシステムの廃止を命じた欧州委員会の決定を支持する判決を下した。マスターカードは欧州委の措 […]

欧州司法裁判所の一般裁判所は24日、クレジットカード大手マスターカードにカード会員が国外で買い物をする際に加盟店から手数料を徴収するシステムの廃止を命じた欧州委員会の決定を支持する判決を下した。マスターカードは欧州委の措置を不当として提訴していたが、訴えは認められなかった。

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問題となっているのは、「マルチラテラル・インターチェンジ・フィー(MIF)」と呼ばれる手数料。MIFは決済代行銀行がカード発行銀行に支払う手数料だが、実際には加盟店が負担している。欧州ではマスターカードの料率が最も高く、欧州委は卸・小売業者の団体からの苦情を受けて調査を進めた結果、同手数料は実際のコストより高く設定されているなどとして、EU競争法に違反すると認定。2007年に廃止を命じていた。

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これに反発したマスターカードは、決定の無効化を求めて提訴した一方で、2009年にMIFをクレジットカードで0.8-1.9%から0.3%、デビットカードで0.4-0.75%から0.2%に引き下げたが、判決が出るまでの暫定措置としていた。同社は欧州裁の判決を不服として上訴する構えをみせているが、上訴審でも訴えが退けられ、敗訴が確定すれば廃止を求められる。

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