2012/6/4

総合 –EUウオッチャー

EU各国が銀行救済基金創設、欧州委が法案発表へ

この記事の要約

欧州委員会が近く、EU各国が債務超過に陥った銀行を救済するための基金を創設する案を発表する。ロイター通信が5月29日に報じた。信用不安で揺れる金融市場の安定を保つのが狙いで、ある国の基金が他の加盟国の銀行の救済も支援する […]

欧州委員会が近く、EU各国が債務超過に陥った銀行を救済するための基金を創設する案を発表する。ロイター通信が5月29日に報じた。信用不安で揺れる金融市場の安定を保つのが狙いで、ある国の基金が他の加盟国の銀行の救済も支援することなどが盛り込まれる見通しだ。

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EUでは民間企業の公的救済が競争上の観点から厳しく制限されている。しかし、信用不安の震源地であるギリシャの銀行の経営難や、スペインの銀行の不良債権問題が深刻化するなど、域内の金融機関の先行き不安が高まっていることから、欧州委は予防措置として救済基金の創設を提案する。

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ロイター通信が入手した法案の草稿によると、各国は国内銀行から預金額の1%を毎年徴収し、基金の財源とする。同基金を使った救済に際しては、対象銀行の債権者に債務の減免を求める。さらに、各国が国内銀行だけでなく、他の国の銀行救済にも協力するシステムを整備する。将来的には同基金を土台に、EU共通の銀行救済基金を創設することも視野に入れており、EU金融市場の統合が進むことになる。

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ロイター通信によると、法案は6月9日に発表の予定。2014年の基金創設を目指す。

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