2012/6/4

産業・貿易

中国通信機器2社にダンピングの疑い、欧州委が制裁発動を検討

この記事の要約

EUが中国の大手通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)について、政府から不当な補助を受けて欧州市場でダンピング(不当廉売)を行なっているとして、制裁発動を検討している。5月25日付けの英フィナンシ […]

EUが中国の大手通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)について、政府から不当な補助を受けて欧州市場でダンピング(不当廉売)を行なっているとして、制裁発動を検討している。5月25日付けの英フィナンシャル・タイムズ(FT)が伝えた。

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複数のEU当局者がFT紙の取材に対して明らかにしたところによると、欧州委員会はここ数カ月にわたって華為技術とZTEの活動を調査。5月24日に開かれた非公開の会合でEU加盟27カ国の代表に対し、両社が中国政府からの違法な補助によって恩恵を受け、EU域内で原価を下回る価格で製品を販売するダンピングを行ったという「確固たる証拠」をつかんだことを伝えたという。欧州委が違法行為があったと認定した場合、華為技術とZTEには制裁関税が課されることになる。

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EUはこれまで域内の企業や業界団体からの訴えを受け、中国に対して鋼管やセラミックタイルなどの製品を対象に反ダンピング措置を発動してきたが、これまではたもので、今回のように自発的に調査に乗り出すのは異例。欧州委のデフフト委員は先月、企業が中国のような国家資本主義的な国からの報復措置を恐れで訴え出ることをためらうケースが見られると指摘。欧州委が率先して、不当な補助金やダンピングの事例を主導的に取り上げる方針を示していた。

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