2012/6/11

欧州ビジネスウオッチ

VW、MANへの出資比率75%超に

この記事の要約

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は5日、商用車子会社MANに対する出資比率を従来の73.76%から75.03%に引き上げたと発表した。スウェーデン子会社スカニアも含めた商用車連合を前進させるための措置。市場ではV […]

独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は5日、商用車子会社MANに対する出資比率を従来の73.76%から75.03%に引き上げたと発表した。スウェーデン子会社スカニアも含めた商用車連合を前進させるための措置。市場ではVWが今後も株式を買い増しMANの上場を廃止するとの見方が有力だ。

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VWは昨年、商用車連合の実現に向けてMANに対する株式公開買い付け(TOB)を実施。11月9日付で出資比率を従来の約30%から55.9%に引き上げた。その後も市場で買い増しており、今回75%を突破した。浮動株比率が低下したため、MANは9月にもドイツ株価指数(DAX)の対象銘柄から除外される見通し。

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出資比率が75%を超えると、ドイツでは支配・利益移転契約を結べる。このためVWは来年4月に開かれるMANの株主総会で同契約を締結すると予想される。

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市場にはVWがスカニアに対しても出資比率を現在の62.6%から90%超へと引き上げてスクイーズアウト(少数株主からの強制的な株式買い上げ)を実施し、完全傘下に収めるとの観測がある。

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VWは停滞している商用車連合の前進に向けてこのほど、役員人事の大幅な入れ替えを発表したばかり。

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