2012/6/18

総合 –EUウオッチャー

銀行監督一元化法案、今秋にも提出=バローゾ欧州委員長

この記事の要約

欧州委員会は今秋にも銀行監督を一元化する法案を提出する方針だ。バローゾ委員長が13日、明らかにした。銀行監督の統合は、金融システムの安定に向けEUが構築を目指す「銀行同盟」の重要な柱となる。\ バローゾ委員長は欧州議会で […]

欧州委員会は今秋にも銀行監督を一元化する法案を提出する方針だ。バローゾ委員長が13日、明らかにした。銀行監督の統合は、金融システムの安定に向けEUが構築を目指す「銀行同盟」の重要な柱となる。

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バローゾ委員長は欧州議会で行った演説で、「委員会は今秋までに、銀行監督の統合、共通の預金保証および破たん処理基金の導入に向けた主要法案を準備できる可能性がある」と述べた。欧州ではスペインの大手銀行の経営悪化やギリシャの銀行預金流出など金融不安が高まるなか、銀行の監督や預金保険制度を共通化する銀行同盟を創設する構想が浮上しており、28~29日に開かれる首脳会議でもこの問題が話し合われる予定。ただ、銀行同盟をめぐっては、ドイツが「財政統合を優先すべき」として早期の創設に慎重な姿勢を見せているほか、欧州の金融の中心地シティを抱える英国が金融の自立性が失われるとして参加しない方針を示すなど各国の足並みが揃っておらず、実現には困難が伴うとの見方が有力だ。

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バローゾ委員長は一部加盟国が銀行同盟に参加しない可能性があることを認めたうえで、参加を望む国だけで統合を進めるという選択もあると指摘。「協調性を高め、制度の有効性が損なわれることがないよう適切な対策を講じることによって、EUの統合性を脅かすリスクを生じさせることなく統合を推進することが可能だ」と述べた。

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