2012/6/25

競争法

ユニバーサルのEMI買収、欧州委が異議告知書送付

この記事の要約

仏メディア大手ビベンディ傘下のユニバーサル・ミュージック・グループは19日、同社が英音楽大手EMIグループのレコード部門を買収する計画について、欧州委員会から異議告知書を受領したことを明らかにした。欧州委はユニバーサルに […]

仏メディア大手ビベンディ傘下のユニバーサル・ミュージック・グループは19日、同社が英音楽大手EMIグループのレコード部門を買収する計画について、欧州委員会から異議告知書を受領したことを明らかにした。欧州委はユニバーサルに公聴会で反論する機会を与えた上で、それでも買収に競争上の問題があると判断すれば、正式に計画を差し止めることになる。

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ユニバーサルは昨年11月、米金融大手シティグループ傘下のEMIグループをソニーと分割買収することで合意。ユニバーサルが19億ドルでレコード部門、ソニーが22億ドルで楽曲の著作権を管理する音楽出版部門を買収することになった。ソニーによる買収は、すでに欧州委の承認を得た。

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世界の音楽市場ではユニバーサル、ソニー、EMI、ワーナー・ミュージックの4大手が圧倒的なシェアを占めており、EMIの買収が実現すると3社体制となり寡占化が進む。欧州委は、ユニバーサルがビートルズなどの楽曲を保有するEMIを買収すると、欧州音楽市場で2位と比べて2倍近い規模に膨れ上がり、「競争が損なわれて消費者に悪影響を及ぼす可能性がある」として、3月に本格的な調査を開始した。

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ユニバーサルは買収認可に向けて、一部資産の売却を提案したが、欧州委は同措置では競争上の問題を解消するには不十分と判断し、異議告知書を送付したとみられる。同社は声明で「買収認可を取り付けるため、欧州委と協議を続ける」と述べ、追加の資産売却を申し出る用意があることを示唆した。

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