2012/7/2

産業・貿易

EU・日米がWTOにパネル設置要請、中国のレアアース輸出制限で

この記事の要約

EUと日本、米国が中国によるレアアース(希土類)の輸出制限を不当として世界貿易機関(WTO)に提訴している問題で、EUと日米は6月27日、WTO紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請した。これにより同問題は本格的な通商紛 […]

EUと日本、米国が中国によるレアアース(希土類)の輸出制限を不当として世界貿易機関(WTO)に提訴している問題で、EUと日米は6月27日、WTO紛争処理小委員会(パネル)の設置を要請した。これにより同問題は本格的な通商紛争に発展することになる。

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中国は自動車、家電、兵器など多様なハイテク製品に欠かせないレアアースの世界産出量の約97%を占める最大の資源国。EUと日米は、レアアース生産をほぼ独占する中国が、輸出に数量制限や特別税を設けるなどして海外への供給を厳しく制限する一方で、国内企業に安価で優先的に回しているのはWTO協定に違反するとして、3月に提訴していた。

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EU、日米と中国は紛争処理の第一段階として60日間にわたって当事者間協議を行ったが、「中国に輸出制限解除の意図がない」(欧州委員会のデフフト通商担当委員)として、パネルで本格的に争うことを決めた。

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EUと米国は、中国がボーキサイト、コークスなど9種類のレアメタルの輸出についても不当に制限しているとしてWTOに提訴し、今年1月に勝訴が確定した。EUなどはレアアース輸出制限問題も同様の構図であることから、勝訴への自信をみせている。

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