EU統計局ユーロスタットが14日発表したユーロ圏の2012年4-6月期の域内総生産(GDP、速報値)は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前期比0.2%減となり、横ばいだった前期からマイナス成長に転じた。ドイツがプラス成長を確保したものの、イタリア、スペインなど7カ国が落ち込み、11年10―12月期以来のマイナス成長となった。(表参照)
\EU27カ国ベースのGDPも0.2%減。前年同期比ではユーロ圏が0.4%減、EUが0.2%減だった。
\データが出そろっているEU21カ国では、ドイツが設備投資、個人消費が伸びて前期比0.3%増となり、上げ幅は前期の0.5%を下回ったもののプラス成長を記録。フランスが前期に続いて0%と、マイナス成長を免れた。また、オランダが0.2%増となった。
\しかし、ユーロ圏ではイタリアが0.7%減、スペインが0.4%減となったほか、ベルギー、ポルトガル、フィンランド、キプロスが低迷。信用不安の震源地であるギリシャは、前期比の成長率はまとまっていないが、前年同期比で6.2%のマイナスとなった。財政が健全なフィンランドのマイナス成長転落は、南欧を中心とする債務危機の影響が広がっていることを浮き彫りにした格好だ。
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