2012/8/20

環境・通信・その他

EUもたばこパッケージ統一を検討、今秋に規制強化策を提案へ

この記事の要約

欧州委員会の報道官は16日、EU域内でたばこ製品のパッケージデザインを統一し、ブランドロゴや宣伝文句の表示を禁止する方向で検討を行っていることを明らかにした。欧州委はたばこの販売および広告に関する規制の見直しを進めており […]

欧州委員会の報道官は16日、EU域内でたばこ製品のパッケージデザインを統一し、ブランドロゴや宣伝文句の表示を禁止する方向で検討を行っていることを明らかにした。欧州委はたばこの販売および広告に関する規制の見直しを進めており、今秋にも新たな法案がまとまる見通し。たばこに関する規制をめぐっては、オーストラリア連邦最高裁判所が15日、たばこ製品のパッケージを統一してロゴ表示などを禁止する法律の無効化を求めていた大手メーカー4社の訴えを退ける判断を下している。EUが豪州に倣った新規制を導入した場合、世界的に同様の動きが広がる可能性がある。

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EU域内では1990年代からたばこ製品のテレビ広告が禁止されており、2005年7月以降は印刷物、インターネット、ラジオでの広告に加え、たばこ会社による文化・スポーツイベントの後援も禁止されている。また、03年に導入されたたばこ製品の製造・販売に関する指令は、たばこ会社に対してパッケージの表面に喫煙による健康被害に関する警告の表示を義務づける一方、消費者に他の製品より害が少ないかのような印象を与える「ライト」「マイルド」「低タール」といった用語の使用を禁止している。さらに欧州委は05年、たばこのパッケージに喫煙による健康被害を示す画像の表示を求める勧告を出しており、多くの加盟国で同措置が義務化されている。

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しかし、世界保健機関(WHO)の統計によると、欧州は13-15歳の喫煙率が世界で最も高く、EUでは依然としてたばこが早死にや疾病の第一の原因となっている。欧州委はこうした現状を改善するため、数年前からたばこ製品の販売や広告に関する規制強化に向けて具体策の検討を進めていた。

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欧州委のグラビリ報道官は定例の会見で、「簡易パッケージを含む多くの可能性について話し合われている」と説明。健康被害を警告する画像の表示サイズを拡大することなども選択肢に含まれているとつけ加えた。

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豪州では今年12月から国内で販売されるたばこのパッケージがオリーブ色に統一され、喫煙による健康被害を示す写真と警告文の表示が義務づけられる。日本たばこ産業(JT)や英ブリティッシュ・アメリカン・タバコなど大手4社は、ロゴ表示の禁止は知的財産権の侵害にあたるなどと主張していたが、最高裁は「国民の健康を守るための規制で憲法に違反しない」との見解を示し、企業側の訴えを退けた。

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