2012/9/3

環境・通信・その他

EUと豪州が排出量取引制度の連結で合意、15年7月から段階的に実施へ

この記事の要約

EUと豪州政府は8月28日、双方の二酸化炭素(CO2)排出量取引制度を連結させ、対象企業がいずれの市場でも排出枠を購入できるようにすることで合意したと発表した。グローバルな排出量取引制度の構築に向けて双方が柔軟に制度を運 […]

EUと豪州政府は8月28日、双方の二酸化炭素(CO2)排出量取引制度を連結させ、対象企業がいずれの市場でも排出枠を購入できるようにすることで合意したと発表した。グローバルな排出量取引制度の構築に向けて双方が柔軟に制度を運用し、温室効果ガスの排出削減を加速させる。豪州が排出量取引制度に移行する2015年7月から段階的に両制度の連結を進め、18年7月の完全実施を目指す。

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豪州は気候変動対策として20年までにCO2排出量を2000年比で5%減らす目標を掲げ、7月1日付で「炭素税」を導入した。排出量の多い電力や鉱業など約300社を対象に、CO2換算で1トン当たり23豪ドル(約18.9ユーロ)を課すという内容。EUの排出権価格は現在1トン当たり8ユーロ前後で推移しており、豪州の炭素税はEUの2倍以上の水準に設定されていることになる。政府は3年後にEUと同じキャップ・アンド・トレード方式による排出量取引制度に移行する方針を打ち出し、1年前からEUとの間で双方の取引制度を連結させる方向で調整を進めていた。

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欧州委員会と豪州政府の発表によると、排出量取引制度の対象となる豪州企業は15年7月からEUの取引市場で排出権を購入することができる。ただし、欧州企業は双方の取引制度が完全に結合される18 年7月まで豪州市場で排出権を購入することはできない。一方、豪州政府は排出量取引制度の導入にあたり、排出権価格に1トン当たり15豪ドルの下限を設ける方針だったが、EUの排出権市場への連結に伴い、同構想を撤回することを併せて発表した。

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