2012/9/10

産業・貿易

指標への規制で意見募集、LIBOR不正問題受け=欧州委

この記事の要約

国際的な基準金利であるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題を受け、欧州委員会は5日、LIBORや欧州銀行間取引金利(EURIBOR)などの指標に対する規制について利害関係者から意見を募る協議手続きを開始した […]

国際的な基準金利であるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題を受け、欧州委員会は5日、LIBORや欧州銀行間取引金利(EURIBOR)などの指標に対する規制について利害関係者から意見を募る協議手続きを開始した。期間は11月15日まで。

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LIBORはロンドン市場での資金取引の銀行間平均貸し手金利で、国際的な融資取引やスワップ金利などデリバティブ商品の基準金利として利用されている。LIBORをめぐっては、英大手銀行バークレイズが不正操作を図ったとして4億5,300万米ドルの制裁金を科され、ダイアモンド最高経営責任者(CEO)ら複数の幹部が辞任に追い込まれたほか、英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)を含む十数行の銀行についても欧米の当局が調査に乗り出すなど、国際的な不祥事に発展している。欧州委のバルニエ委員(域内市場・金融サービス担当)は声明で、「LIBOR操作問題をめぐり現在進められている国際的な調査は、銀行による受け入れがたい慣行の新たな実例をまだ明らかにはしていない」と指摘したうえで、「指標の収集、設定、利用の規制には広範な作業が必要になる」と述べた。

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今回実施される協議は、LIBORなどの基準金利だけでなく商品価格指数や不動産価格指数といったあらゆる指標を対象に、これらの指標の算出と利用における各段階で問題となりうる点をあぶり出すことを目指している。欧州委は最終的な目標は指標の統一性を確保することだと強調。指標が特定の利害に左右されることなく経済の現実を反映し、適切に利用されることを保証するような解決策を見出したいとしている。

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