2012/10/15

欧州ビジネスウオッチ

EADSとBAEが合併断念

この記事の要約

欧州航空宇宙大手のEADSと英軍需大手BAEシステムズは10日、9月中旬に打ち出した合併計画を断念すると発表した。両社に深い関係を持つ独仏英3カ国の政府が合併で誕生する新会社の株主構成で合意できなかったためと説明している […]

欧州航空宇宙大手のEADSと英軍需大手BAEシステムズは10日、9月中旬に打ち出した合併計画を断念すると発表した。両社に深い関係を持つ独仏英3カ国の政府が合併で誕生する新会社の株主構成で合意できなかったためと説明している。EADSの広報担当者はドイツ政府の拒否的な姿勢が合併断念の最大の原因だとの見解を示した。

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両社は9月12日、合併に向けて交渉している事実を明らかにした。合併が実現すると、売上高750億ユーロの新企業が誕生。航空宇宙・防衛分野で現在世界最大の米ボーイング(売上高530億ユーロ)を大幅に凌ぐ見通しだった。

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3カ国政府のうちフランスは新会社への出資比率で最低9%、できれば13%を獲得したい考えだった。また、ドイツはフランスと同じ比率を確保し、EADSにおいてと同様に両国のバランスを維持することを合併承認の条件として提示。英国は新会社に対する国家の影響が強いとBAEの最も重要な取引先である米国防省との関係が悪化するとして、独仏政府の出資比率を抑制することを要求していた。

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報道によると、英国とフランスは最近になって、フランスとドイツの出資比率を計18%にすることで合意。その際、フランスの出資比率を9%超、ドイツを同9%未満とすることも取り決めた。ドイツ政府は独仏の対等出資を求める立場からこれを拒否。両社は合併断念に追い込まれたという。

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