2012/10/15

欧州ビジネスウオッチ

サンタンデール、RBSの支店取得を中止

この記事の要約

スペイン最大手銀行バンコ・サンタンデールは12日、英最大手銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)から英国内の318支店を取得する計画を中止すると発表した。RBSの支店売却手続きが遅れており、期限内の完了が […]

スペイン最大手銀行バンコ・サンタンデールは12日、英最大手銀行のロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)から英国内の318支店を取得する計画を中止すると発表した。RBSの支店売却手続きが遅れており、期限内の完了が見込めないと判断したため。これによってRBSは、新たな売却先を見つけなければならなくなった。

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リーマンショックに伴う金融危機に際して政府から445億ポンド(約564億ユーロ)の公的資金注入を受け、国有化されたRBSは、EUの欧州委員会から公的支援の条件として、事業縮小を柱とする再建策の実施を求められ、国内支店の14%に相当する318支店の売却を決定。2010年8月にサンタンデールと16億5,000万ポンドで売却することで合意していた。

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欧州委から命じられた売却期限は11年末。しかし、RBSの口座をサンタンデールに移す作業が両行の情報技術(IT)システムの違いによって難航したことなどから、13年2月に延長された。それでも作業が遅れているため、サンタンデールは「目標を達成できないのは明らか」として、合意時の取り決めに従って合意破棄を決めた。

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RBSは支店売却の白紙化に加えて、国際的な基準金利であるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題で巨額の制裁を科せられる見通しとなっており、厳しい状況にさらされることになった。

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