2013/1/7

競争法

デクシアの再編計画を承認

この記事の要約

欧州委員会は12月28日、フランス・ベルギー系金融大手デクシアの再編計画を承認したと発表した。両国政府による公的救済を含む再編計画が、EU競争法が禁じる不当な国家補助には当たらないと判断した。\ 地方自治体への融資を中核 […]

欧州委員会は12月28日、フランス・ベルギー系金融大手デクシアの再編計画を承認したと発表した。両国政府による公的救済を含む再編計画が、EU競争法が禁じる不当な国家補助には当たらないと判断した。

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地方自治体への融資を中核業務とするデクシアは、ギリシャに端を発した信用不安の影響で資金繰りが悪化し、事実上の経営破たんに追い込まれ、フランス、ベルギーおよびルクセンブルク政府が救済に乗り出していた。今回承認された再編策によると、3カ国は850億ユーロの政府保証を供与するほか、フランス・ベルギー政府が55億ユーロの資本注入を実施する。これにより両国はデクシアの株式約96%を握ることとなり、同行はほぼ完全に国有化される。また、ベルギー政府の管理下に入ったベルギー部門ベルフィウスは中核の銀行・保険業務に専念し、フランス部門デクシア・ミュニシパル・エージェンシー(DMA)は新たに設立される開発銀行に統合され、自治体向けの融資業務を手がけることになる。

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欧州委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は再編計画について「破たんしたビジネスモデルを人為的に存続させることなしにデクシアグループの一部が市場に引き続きとどまることを正当化し、支援の結果生まれる競争の歪みを最小限に抑えるものだ」と評価。「この計画によって、秩序立った解体手続きを進めるために必要な最低限の水準まで納税者負担が軽減される」と述べた。

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