2013/1/14

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が金利据え置き、総裁「金融市場が大きく改善」

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は10日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.75%に据え置くことを決めた。金利据え置きは6カ月連続。前月の理事会では利下げが検討されたが、ユーロ圏で景気 […]

欧州中央銀行(ECB)は10日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.75%に据え置くことを決めた。金利据え置きは6カ月連続。前月の理事会では利下げが検討されたが、ユーロ圏で景気改善の兆しがうかがえるとして、全会一致で利下げを見送った。

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ユーロ圏経済は債務危機などの影響で、2012年7-9月期に景気後退局面(2四半期連続のマイナス成長)に突入。前月のECB理事会では、昨年7月の利下げによって過去最低水準となっている政策金利をさらに引き下げることが議題に上った。

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ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、ユーロ圏経済は危機を脱したとは言えないものの、債務危機進行の懸念が遠のいたことでスペイン、イタリアなど重債務国の国債の利回りが低下しているほか、株価が上昇し、銀行に預金が回帰していることなどに触れ、「金融市場の環境は大きく改善している」と指摘。実体経済も今年後半に「緩やかに回復する」との見通しを示した。

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市場では総裁の景気に関する発言や、理事会が全会一致で金利据え置きを決めたことを受けて、ECBが当面は利下げを見送り、様子見に徹するとの観測が急浮上。ユーロ買いも加速し、同日のロンドン外国為替市場では対円で1ユーロ=116円台まで上昇、対ドルでも同1.32ドルまで戻した。

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