2013/2/11

環境・通信・その他

欧州議会、自動車騒音の規制強化案を可決

この記事の要約

欧州議会は6日の本会議で、自動車の騒音規制を強化する法案を賛成多数で可決した。域内で販売される乗用車やバン、バス、商用車の新車を対象に、現行規制の上限値を最大6デシベル(dB)引き下げることや、一般市民に騒音レベルを知ら […]

欧州議会は6日の本会議で、自動車の騒音規制を強化する法案を賛成多数で可決した。域内で販売される乗用車やバン、バス、商用車の新車を対象に、現行規制の上限値を最大6デシベル(dB)引き下げることや、一般市民に騒音レベルを知らせるためのラベリング制度の導入などを柱とする内容。EU加盟国の承認を経て新ルールが導入される。

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EUでは域内を走行する車両の数や交通量の増加にもかかわらず、騒音の規制値は1996年から変わっていない。欧州環境庁(EEA)の調査によると、域内の都市部では約半数の市民が日常的に「ややうるさい」と感じる55dB以上の騒音にさらされており、健康への影響が懸念されている。欧州委員会はこうした現状を踏まえ、2011年12月に自動車騒音の規制強化策を発表。欧州議会と閣僚理事会で法案について審議が行われていた。

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本会議では賛成401票、反対228票(棄権20票)で修正法案が可決された。これによると、規制強化は2段階で実施され、まず新ルール発効から6年後に域内で販売される新型車、8年後にすべての新車に適用される。規制値の上限は乗用車で現行の74dBから68dBに引き下げられ、バンや中・小型商用車などはこれより2-6dB上乗せした水準が上限となる。一方、総重量12トン以上の大型商用車については現行の81dBが維持される。

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法案にはこのほか、ガソリンエンジン車などに比べて走行音が静かな電気自動車やハイブリッド自動車を対象に、安全性確保のため人工音を発生させて歩行者に車の接近を知らせる「車両接近通報システム(AVAS)」の搭載を義務づけるルールが盛り込まれている。欧州議会はさらに、すでにラベル表示が義務化されている燃費、タイヤ騒音、二酸化炭素(CO2)排出量と同様、騒音レベルについてもラベリング制度の導入を提案している。

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