2013/2/25

競争法

銀行間取引金利の不正操作疑惑、スイスフランも対象に

この記事の要約

欧州委員会のアルムニア委員(競争政策担当)は22日、銀行間取引金利の不正操作問題に関連して、ユーロと円に加えてスイスフラン建てのスワップについても調査を進めていることを明らかにした。同委員はパリで行った講演の原稿で、指標 […]

欧州委員会のアルムニア委員(競争政策担当)は22日、銀行間取引金利の不正操作問題に関連して、ユーロと円に加えてスイスフラン建てのスワップについても調査を進めていることを明らかにした。同委員はパリで行った講演の原稿で、指標金利に関連したデリバティブ市場で一部のブローカーもカルテルに関与した疑いがあると指摘し、銀行以外にも調査対象を拡大して実態の解明を進める意向を示している。

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アルムニア委員の発言は21日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道を受けたもの。欧州委はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題が表面化したのを機に、欧州銀行間取引金利(EURIBOR)と東京銀行間取引金利(TIBOR)についても調査を行っている。FT紙によると、欧州委は1年半前からユーロと円建ての銀行間金利について調査を進めてきたが、新たにスイスフランスを対象に追加。金利設定に絡んだカルテルなどの不正が確認された場合、同委は金融機関に対して年間売上高の最大10%に当たる制裁金を課す方針で、仮に3つの指標金利で不正が発覚した場合は制裁金が3倍に膨らむ可能性があると報じていた。

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アルムニア委員は「指標金利に絡んだ共謀が事実であるなら、金融市場における公正な競争に深刻な影響が及んでいたことになる」と指摘。LIBORに絡んだ不正操作疑惑の全容解明が「最優先」と強調したうえで、「ユーロ、円、スイスフランを含むいくつかの通貨の銀行間取引金利について調査を行っている」と説明。「デリバティブ市場で銀行だけでなく、ブローカーもカルテルに参加したとの疑いを強めている」と述べ、不正に関与したすべての事業者に厳しい制裁を科す必要があるとの考えを示した。

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