欧州委員会は22日、複数の通信事業者からの苦情を受け、米アップルのスマートフォン「アイフォーン」とタブレット端末「アイパッド」の販売慣行について監視を行っていることを明らかにした。これまでのところ欧州委への申立ては非公式なものだが、反競争的な商慣行が疑われる場合はただちに正式な手続きに入ると警告している。
\問題となっているのは、通信事業者がアイフォーン、アイパッドを取り扱うためにアップルと結んでいる販売契約。複数の情報筋によると、アップルは自社製品のブランド力や人気を武器に、一定の販売台数の購入やマーケティング面の支援などを契約の条件としており、欧州に拠点を置く複数の通信事業者は、こうした商慣行が反競争的行為にあたるとして昨年末に欧州委に苦情を申し立てた。申立てを行った通信事業者の具体名は明らかにされていない。
\欧州委のコロンバニ報道官は定例の記者会見で「これまでのところ正式な苦情の申立てはない」としたうえで、「モバイル端末市場の動向を積極的に監視している」と説明。アップルと競合する韓国サムスン電子やグーグルの「アンドロイド」搭載端末がシェアを伸ばしている点に触れ、「全体として健全な競争環境が保たれている」との認識を示したうえで、「消費者に不利益をもたらす反競争的な行為が認められた場合、当然ながらただちに介入する」と述べた。
\一方、アップルの広報担当は「EUを含め事業展開しているすべての市場で、当社の契約は現地の法律に完全に準拠している」とコメントしている。
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