2013/4/8

総合 –EUウオッチャー

欧州中銀が追加金融緩和を示唆、来月にも実施か

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は4日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.75%に据え置くことを決めた。金利据え置きは9カ月連続。ただ、ドラギ総裁は景気の下振れリスクへの警戒感を示し、 […]

欧州中央銀行(ECB)は4日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を現行の年0.75%に据え置くことを決めた。金利据え置きは9カ月連続。ただ、ドラギ総裁は景気の下振れリスクへの警戒感を示し、景気悪化が深刻化する場合には「行動する用意がある」と述べ、追加金融緩和を示唆。市場ではECBが5月にも追加利下げに踏み切るとの観測が浮上している。

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ドラギ総裁は記者会見で、理事会では金利据え置きを決めたものの、追加金融緩和について「幅広い」論議が行われたことを明らかにした。その上で、「向こう数週間にわたって経済、金融動向に関するあらゆる情報を非常に注意深く監視していく」とコメント。必要に応じて「行動する用意がある」と述べた。さらに、追加金融緩和では利下げに加えて「非常措置」も含まれると述べ、国債購入、金融機関への長期資金供給の再開を検討していることを示唆した。

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ECBはマイナス成長が続くユーロ圏経済が今年下期に回復に向かうと見込んでいる。欧州債務危機が峠を超えたという認識が背景にある。ここにきて追加金融緩和に傾いているのは、キプロスの金融危機で欧州の信用不安が終息していないことが露呈し、景気回復が遅れる懸念が出てきたため。ユーロ圏のインフレ率が低下傾向にあり、利下げ余地が拡大していることも大きい。

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「非常に注意深く監視していく」という文言は、トリシェ前ECB総裁が事実上の利下げ予告として用いていたものであることから、早ければ5月の理事会で追加利下げが決まると受け止められている。

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