2013/4/8

欧州ビジネスウオッチ

ノバルティスのがん治療薬、インドで特許認められず

この記事の要約

スイス製薬大手ノバルティスが開発した白血病治療薬「グリべック(一般名:イマチニブメシル酸塩)」の改良版の特許をめぐる係争で、インドの最高裁判所は1日、同薬はインド国内で特許の保護対象にならないとの判断を示した。改良前の製 […]

スイス製薬大手ノバルティスが開発した白血病治療薬「グリべック(一般名:イマチニブメシル酸塩)」の改良版の特許をめぐる係争で、インドの最高裁判所は1日、同薬はインド国内で特許の保護対象にならないとの判断を示した。改良前の製品に比べて優れた効果があるとは言えず、同国特許法上の「新薬」には当たらないとしている。

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ノバルティスはグリベックの特許出願が2006年、インド特許庁から拒絶査定(特許付与の対象外)を受けたため、これを不当として提訴した。インドの特許法では、◇既存薬の化学構造を変えた薬に既存薬以上の効果が見られない◇薬の使用法が変わるだけ――の場合には特許を与えないとする条項がある。同庁は、「グリベックは既知の物質の新しい形態(結晶構造)に過ぎず、すでに知られている有効性を顕著に上回っていない」として特許を認めなかったため、同社はマドラス高等裁判所に提訴。同裁がインド特許庁の勝訴を言い渡したため、09年に最高裁に上告したが、最高裁は今回、同社の訴えを棄却。判決が確定した。

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