2013/5/21

総合 –EUウオッチャー

ユーロ圏の1-3月GDP0.2%減、6期連続のマイナス成長に

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが15日発表したユーロ圏の2013年1-3月期の域内総生産(GDP、速報値)は前期比0.2%減で、前期の0.6%減から改善したもののマイナス成長となった。マイナス成長は2011年10-12月期から […]

EU統計局ユーロスタットが15日発表したユーロ圏の2013年1-3月期の域内総生産(GDP、速報値)は前期比0.2%減で、前期の0.6%減から改善したもののマイナス成長となった。マイナス成長は2011年10-12月期から6期連続。これによってユーロ導入後で最長の景気後退(2四半期連続以上のマイナス成長)局面に突入した。(表参照)

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ユーロ圏の12年1-3月期の成長率は速報値で0%となっていたが、マイナス0.1%に改定された。このため、マイナス成長はリーマンショック直後の5四半期連続を超えた。

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EU27カ国ベースのGDPは0.1%減。前年同期比の成長率はユーロ圏がマイナス1%、EUがマイナス0.7%だった。

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ユーロ圏ではギリシャに端を発した債務危機が最悪期を脱し、混乱していた金融市場は落ち着きを取り戻しつつある。それでも、各国が財政再建のため進める緊縮策によって、実体経済の回復は遅れており、1-3月期GDPの下げ幅は予想の0.1%を上回った。

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国別のGDPは、ドイツが堅調な個人消費に支えられ、前期比0.1%増となり、景気後退入りを回避した。しかし、フランスが設備投資、輸出、個人消費の落ち込みによって、前期に続いて0.2%減と低迷し、2期連続のマイナス成長となった。これによって17カ国のうち景気後退入りしたのはフランス、スペイン、イタリア、オランダ、ポルトガル、ギリシャ、フィンランド、キプロス、スロベニアの9カ国に達した。

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欧州中央銀行(ECB)は5月初め、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を0.25ポイント引き下げ、過去最低の0.5%としたが、景気後退の長期化を受けて、追加利下げの圧力が強まりそうだ。また、マイナス成長が続く国々では、景気対策として財政緊縮を見直す動きが強まる可能性もある。

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