2013/6/10

産業・貿易

中国の格付け会社がEU市場に本格進出、ESMAが大公国際の登録完了

この記事の要約

欧州証券監督機構(ESMA)は7日、格付け機関に関するEU規則に基づき、同日付で中国の大公国際資信評価(Dagong Global Credit Rating)の欧州法人である大公ヨーロッパ(Dagong Europe) […]

欧州証券監督機構(ESMA)は7日、格付け機関に関するEU規則に基づき、同日付で中国の大公国際資信評価(Dagong Global Credit Rating)の欧州法人である大公ヨーロッパ(Dagong Europe)の登録を完了したと発表した。イタリアのミラノに拠点を置く大公ヨーロッパは、6月13日からESMAの監督下に置かれる。ロイター通信によると、同社のアルフォンソ社長は今月半ばに格付け手法の詳細を発表し、夏の終わりまでに域内の主要銀行および保険会社の格付けを公表する方針を示している。

\

格付け市場は米ムーディーズ・インベスターズ・サービス、米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、欧州系のフィッチ・レーティングスの3社が約95%のシェアを占めており、世界の金融市場に絶大な影響力を持つ。大公国際は3大格付け会社による独占体制が合理的で信頼できる格付けを妨げていると批判し、現行システムを打破するため米国進出を試みたが、米証券取引委員会(SEC)は2010年に同社の登録申請を却下した。大公国際は昨年10月、ロシアのルスレーティング、米イーガン・ジョーンズ・レーティングスと提携し、世界的規模で格付け情報を提供する新会社「ユニバーサル・クレジット・レーティング・グループ」を共同で設立する計画を打ち出している。

\

ESMAが大公ヨーロッパの登録を承認したことで、大公国際は世界進出の第一歩を踏み出すことになる。大公ヨーロッパのアルフォンソ社長は「中国特有の長期的な視点に立った分析がライバルとの違いを生むだろう」と述べ、今後5年以内に欧州市場で5%のシェア獲得を目指す方針を示した。

\