2013/7/29

総合 –EUウオッチャー

ヒズボラ軍事部門をテロ組織に指定、EU外相理で合意

この記事の要約

EUは22日に開いた外相理事会で、シリアの内戦でアサド政権を支援しているレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの軍事部門をテロ組織に指定することに全会一致で合意した。\ ヒズボラの軍事部門は、昨年7月にイスラエル人観光 […]

EUは22日に開いた外相理事会で、シリアの内戦でアサド政権を支援しているレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの軍事部門をテロ組織に指定することに全会一致で合意した。

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ヒズボラの軍事部門は、昨年7月にイスラエル人観光客が死亡したブルガリアでの爆発事件に関与しているとされ、また今年3月には、キプロスで同様の襲撃を計画していたとして所属する戦闘員に有罪判決が下されている。英国のヘイグ外相は、「EUは、テロには一致団結して対処するという明確なメッセージを送った」と語り、「いかなる組織も欧州域内でテロ行為を行うことはできない」とテロ組織に厳しい姿勢でのぞむ方針を強調した。

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テロ組織として認定された組織は、幹部のEU域内への渡航禁止や資産凍結などの制裁措置を受ける。ヒズボラはレバノンの主要政党でもあるため、外相理事会はテロ指定がレバノン政治不安定化を招くとの懸念から、ヒズボラの政治部門を指定の対象から外した。ただ、政治部門と軍事部門を明確に区別することは難しく、制裁の実効性を疑問視する声もある。

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ヒズボラは22日夜に声明を発表し、EUの決定を「敵対的で不当であり、根拠のないものだ」と批判した。一方、ヒズボラをすでにテロ組織に指定している米国のケリー国務長官は、「EUはヒズボラに対し、罰を受けずに行動することはできず、行為には結果が伴うという力強いメッセージを送っている」と歓迎するコメントを発表した。

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