2013/8/5

総合 –EUウオッチャー

ギリシャが109億ユーロ不足、ユーロ圏は債権放棄の必要も=IMF

この記事の要約

国際通貨基金(IMF)は7月31日、債務危機に直面しているギリシャが向こう2年間で109億ユーロの資金不足に陥るとの見通しを示し、ユーロ圏諸国が同国に対して保有している債権の一部を放棄する必要があると指摘した。\ ギリシ […]

国際通貨基金(IMF)は7月31日、債務危機に直面しているギリシャが向こう2年間で109億ユーロの資金不足に陥るとの見通しを示し、ユーロ圏諸国が同国に対して保有している債権の一部を放棄する必要があると指摘した。

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ギリシャは債務危機打開に向けて、ユーロ圏とIMFから第1次、2次を合わせて総額2,400億ユーロに上る金融支援を取り付け、財政再建に取り込んでいる。しかし、IMFはギリシャの債務問題に関する最新の報告書で、同国は2014年に44億ユーロ、15年に65億ユーロの資金が不足する恐れがあると指摘。これを手当てしなければ、同国の信用不安が拡大し、景気をさらに悪化させ、財政再建目標を達成できなくなるとして、同国に融資しているユーロ圏諸国が74億ユーロの債権を放棄することを提言した。

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同問題は昨年から浮上しており、ユーロ圏とIMFは11月に対応を協議した。その結果、累積債務を2020年までに国内総生産(GDP)比120%まで圧縮するという約束について、目標数値を124%に緩和することで合意。さらに、すでに実施された第1次支援(総額約1,100億ユーロ)に基づく2国間融資の金利引き下げや、第2次支援(総額約1,300億ユーロ)に基づく融資の返済期限延長などを決めた。

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IMFが求める債権の一部放棄は、これに続く事実上の追加支援となるため、ユーロ圏諸国にとっては厳しい要求となる。特にドイツは総選挙を控え、ギリシャへの支援に対する世論の厳しい風当たりを考慮せざるを得ない状況で、債権放棄に応じる可能性は低そうだ。

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