2013/8/19

総合 –EUウオッチャー

ユーロ圏の4-6月GDP0.3%増、7四半期ぶりのプラス成長

この記事の要約

EU統計局ユーロスタットが14日発表したユーロ圏の2013年4-6月期の域内総生産(GDP、速報値)は前期比で0.3%増となり、前期の0.3%減からプラス成長に転じた。プラス成長は2011年10-12月期以来7四半期ぶり […]

EU統計局ユーロスタットが14日発表したユーロ圏の2013年4-6月期の域内総生産(GDP、速報値)は前期比で0.3%増となり、前期の0.3%減からプラス成長に転じた。プラス成長は2011年10-12月期以来7四半期ぶり。債務危機が沈静化し、ギリシャなど南欧諸国の景気悪化が緩和されたほか、ドイツ、フランス経済が持ち直し、ユーロ導入後で最長となっていた景気後退局面から脱した。(表参照)

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EU28カ国ベースのGDPも0.3%増。国別では域内最大の経済国であるドイツが0.7%増となり、ゼロ成長だった前期から復調した。内需、政府支出の伸びが景気を押し上げた。フランスは0.5%増。個人消費の拡大に支えられて12年7-9月期以来3四半期ぶりにプラス成長となった。プラス幅は11年1-3月期以来の高水準だった。

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債務危機に陥っている国では、ポルトガルが1.1%増となり、景気後退から脱却。スペインは0.1%減、イタリアは0.2%減とマイナス成長が続いているが、マイナス幅はそれぞれ前期の0.5%、0.6%から縮小し、大きく改善。ギリシャも前年同期比4.6%減となったものの、下げ幅は前期の5.6%を大きく下回った。

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同期の景気回復は、欧州中央銀行(ECB)が債務危機対策として導入している低金利政策や、重債務国の国債買い入れといった金融緩和の効果や、世界経済の復調が反映されたと見られる。ただ、成長率は米国の0.4%、日本の0.6%を下回っている。オランダが0.2%減となって景気後退が続くなど、国によってばらつきもあり、本格的な回復軌道に乗ったとは言えない状況で、欧州委のレーン委員(経済通貨問題担当)は「自己満足に浸る余裕はない」と述べ、持続的成長を維持するためには債務危機の完全な終息に向けた財政緊縮策や構造改革の継続が必要との見解を示した。

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