2013/8/26

総合 –EUウオッチャー

チェコ議会解散、今秋投票へ

この記事の要約

チェコ下院は20日、議会の早期解散案を賛成140票、反対7票、棄権53票で可決した。憲法の規定に基づき6週間以内に選挙が実施される。これにより、汚職・盗聴事件に端を発する政治的混乱が収拾する見通しが出てきた。\ ネチャス […]

チェコ下院は20日、議会の早期解散案を賛成140票、反対7票、棄権53票で可決した。憲法の規定に基づき6週間以内に選挙が実施される。これにより、汚職・盗聴事件に端を発する政治的混乱が収拾する見通しが出てきた。

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ネチャス前首相は6月、側近が汚職・盗聴事件に深く関与していた事実が発覚し、引責辞任した。先月にはゼマン大統領がルスノク暫定内閣を任命したが、閣僚にゼマン大統領が率いる中道左派の「市民権党・ゼマン派(SPOZ)」に近い人物が多いという批判が浮上。今月8日の信任投票は否決された。

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これを受けて、今回の議会解散決議に至った。野党の社会党(CSSD)、共産党のほか、連立与党だった中道保守政党TOP 09や「公共問題(VV)」も賛成し、可決に必要とされる120票を大きく上回った。汚職・盗聴事件の渦中にある市民民主党(ODS)は棄権した。

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もともと下院選挙は来年5月に予定されていたが、解散により今秋に前倒しで行われる。実施日は10月25、26の両日に確定した。

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最近の世論調査の結果から推測すると、下院選では社会党が35%の支持を得て第1党になる確率が高い。連立パートナーとしては共産党のほか、中道左派のSPOZが候補に挙がる。ただ、共産党については連立を禁じる党決議が存在するため、現実的には閣外協力を模索することになりそうだ。

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一方で、これまで内閣の中心となっていたODSは、有力政治家が汚職・盗聴疑惑に関与していたことから、得票が大幅に落ち込む見通しだ。シュワルツェンベルグ前外務相が率いるTOP 09がODS支持票の受け皿となり、得票を伸ばすとみられている。

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なお、富豪でメディア実業家のバビシュ氏が設立した新党「ANO 2011」がどれほどの支持を得られるかは現時点では不透明だ。同氏は今年6月、有力日刊紙「ムラダ・フロンタ・ドネス」と「リドヴェー・ノヴィニー」を傘下におさめている。

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