2013/9/2

総合 –EUウオッチャー

ECBが女性管理職を倍増へ、局・次長クラスで28%に

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は8月29日、2019年末までに女性管理職の比率を現在の2倍に引き上げる方針を発表した。世界の中央銀行では伝統的に男性が主要ポストの大部分を占めているが、ECBは具体的な数値目標を設定して女性の積極 […]

欧州中央銀行(ECB)は8月29日、2019年末までに女性管理職の比率を現在の2倍に引き上げる方針を発表した。世界の中央銀行では伝統的に男性が主要ポストの大部分を占めているが、ECBは具体的な数値目標を設定して女性の積極的な登用を進める。

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ECBによると、女性幹部が占める割合は現在、局長や次長などの上級管理職で14%、部長などの中間管理職で17%となっているが、これを今後6年でそれぞれ28%、35%まで引き上げる。ただし、理事以上のポストは数値目標の対象に含まれていない。

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ECBでは1998年の設立以来、女性の理事就任は過去15年で2人にとどまっている。また、現在も総裁、副総裁、理事4人と、ユーロ圏17カ国の中央銀行総裁の計23人で構成する定例理事会のメンバーはすべて男性が占めている。昨年にはルクセンブルク中銀のメルシュ元総裁の理事就任をめぐり、女性候補が擁立されなかったことを理由に欧州議会が承認に難色を示し、半年以上にわたって理事ポストが空席となる事態を招いた。ECBはこうした経緯を踏まえ、幹部職員の男女比率を改善するための具体策を検討していた。

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男性偏重に抗議して、メルシュ氏の理事就任に強く反対していた欧州議会経済金融委員会のボウルズ委員長は取材に対し、ECBが女性の積極的な登用を促進するため具体的な行動に出たことを評価したうえで、取り組みのスピートが非常に遅く、数値目標も十分とは言えないと指摘している。

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