2013/9/9

総合 –EUウオッチャー

ECBが金利据え置き、総裁は追加利下げ示唆 ECBが金利据え置き 総裁は追加利下げ示唆

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は5日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を過去最低水準となっている現行の年0.5%に据え置くことを決めた。金利据え置きは4カ月連続。ユーロ圏経済は4-6月期に景気後 […]

欧州中央銀行(ECB)は5日に開いた定例政策理事会で、ユーロ圏17カ国に適用される最重要政策金利を過去最低水準となっている現行の年0.5%に据え置くことを決めた。金利据え置きは4カ月連続。ユーロ圏経済は4-6月期に景気後退を脱するなど回復の兆しが出ているが、ドラギ総裁は下振れリスクへの警戒感を示し、必要に応じて追加利下げに踏み切る用意があることを明らかにした。

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ユーロ圏の4-6月期の域内総生産(GDP)は輸出、内需の回復に支えられて前期比0.3%増となり、7四半期ぶりにプラス成長に復帰。景況感も改善が続いている。ECBも同日発表した内部経済予測で、今年のユーロ圏の予想成長率をマイナス0.4%とし、前回予測(6月)のマイナス0.6%から0.2ポイント上方修正した。

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しかし、ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、ECBの量的緩和で改善した金融市場の流動性がここにきて縮小傾向にあり、企業などが資金を調達する際の実効金利が上昇していることや、シリア情勢が世界経済を混乱させる可能性があることに言及し、「私は回復について、非常に、非常に慎重だ。(景気回復への)熱狂を共有することはできない」と発言。前月に続いて「理事会は長期間にわたって政策金利を現行水準に据え置くか、より低い水準とすることを見込んでいる」と述べ、当面は緩和的な政策を続けることを確認した。

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さらにドラギ総裁は、必要に応じて「行動する用意がある」と述べ、追加利下げを視野に踏み切る用意があることを表明。同日の理事会でも利上げの可能性ついて協議したことを明らかにした。

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