2013/9/2

産業・貿易

中国製太陽光パネルに不当な公的補助、欧州委が認定

この記事の要約

欧州委員会は8月28日、中国の太陽光パネルメーカーが政府から不当な公的補助を受けていると認定したことを明らかにした。これを受けてEUが中国製品に反補助金関税を課す可能性があり、反ダンピング措置の中止で一旦は収まった太陽光 […]

欧州委員会は8月28日、中国の太陽光パネルメーカーが政府から不当な公的補助を受けていると認定したことを明らかにした。これを受けてEUが中国製品に反補助金関税を課す可能性があり、反ダンピング措置の中止で一旦は収まった太陽光パネルをめぐる中国との通商紛争が再燃しかねない情勢となってきた。

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欧州委員会は2012年9月、中国の太陽光パネルメーカーが公的支援を後ろ盾にして、製品をEUに不当な廉価で輸出し、域内の業界に大きな打撃を与えている疑いがあるとして、反ダンピング調査を開始。11月には太陽光パネル、部品への反補助金調査も開始していた。

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反ダンピング問題については、EUは6月に暫定的な反ダンピング関税を課した。しかし、中国メーカーがEUへの輸出に最低価格を設けるという和解案が7月に成立し、8月6日に同措置を中止していた。

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欧州委は反補助金調査の結果の詳細を明らかにしていないが、欧州で太陽光パネルを生産する事業者の業界団体「EUプロサン」によると、中国政府が低利融資や税制上の優遇などによって、メーカーの売上高の最大11.5%に相当する不当な補助を行っていると認定したという。

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EUは本来、中国製品に暫定的な反補助金関税(相殺関税)を課すことができるが、欧州委は反ダンピング関税を中止した際、反補助金問題については暫定的な制裁措置を発動せず、中国政府の出方を待って対応を決める方針を打ち出していた。EUは12月5日までに反補助金関税を課すかどうかを決めることになる。

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