2013/9/9

産業・貿易

「外資系企業に平等な取り扱いを」、在中国欧州商工会議所が要望

この記事の要約

在中国欧州商工会議所(中国欧盟商会=EUCCC)は5日に発表したポジションペーパー(立場表明書)で、中国政府に対し構造改革を促進し、市場への介入を控え、外資系企業が国内企業と平等に競争できる環境を整えるよう要望した。また […]

在中国欧州商工会議所(中国欧盟商会=EUCCC)は5日に発表したポジションペーパー(立場表明書)で、中国政府に対し構造改革を促進し、市場への介入を控え、外資系企業が国内企業と平等に競争できる環境を整えるよう要望した。また、同国で最近、外資系企業が汚職や独占禁止法違反で相次いで調査を受けていることに関連し、外資系企業の間で動揺が広がっているとして懸念を表明した。

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EUCCCダビデ・クチーノ会頭は、電気通信や金融など多くの産業分野における中央政府の「強力すぎるプレゼンス」は競争を阻害し、安定的な経済成長に向けた政府の努力を台無しにする恐れがあると警告。習近平政権が、投資手続きの簡素化や自由貿易試験区の設立に乗り出すなど改革の一定の成果をあげていると評価する一方で、市場には依然として多くの障壁が存在していると指摘。国有企業が基幹産業を独占し、さまざまな優遇措置や補助金などで優位に立っていることが競争を妨げていると批判した。

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中国警察当局は7月、医薬品の売り上げ拡大を狙い、医師や政府関係者に30億元(4億9,023万米ドル)の賄賂を贈った容疑で英製薬大手グラクソスミスクライン(GSK)の幹部4人を拘束した。このほか、ノボ・ノルディスク、アストラゼネカ、サノフィ・アベンティスなど欧州の製薬会社が贈賄疑惑などで捜査を受けている。

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EUCCC医薬品作業部会のブルーノ・ゲンズブルガー議長は、中国本土の製薬会社が汚職捜査の対象になっていないことは理解に苦しむと指摘。「最も真摯に標準作業手順書(SOP)を遵守している外国企業が捜査対象となり、差別を受けたことは些か不当ではないかと感じている」と語り、中国当局の姿勢に疑問を示した。

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