欧州委員会は17日、イベリア半島南端にある英領ジブラルタルの領有をめぐり、英国とスペインが対立している問題で、25日に調査団を現地に派遣する方針を明らかにした。英国の要請に基づき、スペイン政府が実施している国境での検問強化などについて現状を調べた上で、当事国による問題解決を促す。
\ジブラルタルをめぐる英国とスペインの対立が表面化した直接のきっかけは、乱獲防止の名目でジブラルタルの地元政府が7月末、コンクリートブロックを周辺海域に沈めて人工環礁を設置したこと。スペイン側は対抗措置として、麻薬やたばこなどの密輸防止を口実に国境での検問を強化した。英国はこれに対し、「域内での移動の自由を保障したEUルールに違反する」としてスペイン側の対応を強く批判。キャメロン首相は8月、欧州委のバローゾ委員長に対し、早期に調査団を派遣するよう求めていた。
\欧州委は声明で、ジブラルタルに調査団を派遣して「国境での検問、人とモノの自由な移動、密輸の現状を評価する」と説明。英外務省高官はこれを受け、「調査団の派遣を歓迎する。調査が円滑に進むよう、必要なあらゆる支援を行う用意がある」とコメントしている。
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