2013/9/23

産業・貿易

欧州委、金利指標への規制強化案発表

この記事の要約

欧州委員会は18日、金利指標に対する監督や規制を強化する法案を発表した。ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)などの不正操作スキャンダルで失われた金融市場への信頼を回復し、投資家を保護するのが狙い。\ 規制対象にはLIBO […]

欧州委員会は18日、金利指標に対する監督や規制を強化する法案を発表した。ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)などの不正操作スキャンダルで失われた金融市場への信頼を回復し、投資家を保護するのが狙い。

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規制対象にはLIBORや欧州銀行間取引金利(EURIBOR)のほか、デリバティブ(金融派生商品)や原油など商品市場で利用される各種指標も含まれる。指標の算出にあたっては市場や経済の実態が反映されるよう「十分かつ正確なデータ」を使用することが義務付けられ、指標の算出や管理をめぐる違反行為には制裁金が科されるほか、監督当局が金融機関などに対し、報告者としての義務や責任を明確にした行動規範を作成することが盛り込まれている。さらに、総額5,000億ユーロ以上の金融商品において基準となっている「重要な指標」については、関係国の監督当局とパリに本部を置く欧州証券市場監督局(ESMA)が協力して監視に当たる。欧州委は当初、重要指標をESMAに一括して監督させることを検討していたが、欧州の金融の中心地を擁する英国などの反対によって譲歩を余儀なくされた。

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欧州委のバルニエ委員(域内市場・サービス担当)は、指標は金融システムの中心にある重要なものでありながら、これまでほとんど規制や監督の対象となっていなかったと指摘。今回の規制案では、「指標金利を提供する銀行への当局による承認と監督が初めて義務づけられ、これにより彼らは透明性を強化するとともに、利害の衝突の問題に取り組むことになるだろう」と語った。

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