2013/10/21

競争法

ホルシムとセメックスの資産交換、スペイン関連は欧州委が審査

この記事の要約

欧州委員会は18日、スイスのセメント大手ホルシムとメキシコ同業セメックスが合意した欧州の資産の交換のうち、セメックスがホルシムのスペイン事業を取得する計画については欧州委が審査を実施すると発表した。\ ホルシムとセメック […]

欧州委員会は18日、スイスのセメント大手ホルシムとメキシコ同業セメックスが合意した欧州の資産の交換のうち、セメックスがホルシムのスペイン事業を取得する計画については欧州委が審査を実施すると発表した。

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ホルシムとセメックスは8月、建設不況で事業環境が厳しい状況が続く中、保有する資産の最適化とコスト削減を目的に、両社が欧州に持つ一部の資産の交換や統合で合意した。

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同合意では、ホルシムがセメックスのドイツにあるセメント工場などの資産を取得。代わりにセメックスは、ホルシムのチェコ事業を取得する。さらに両社はスペイン事業を統合するが、誕生する新会社の出資比率はセメックスが75%となるため、実質的にセメックスが買収する形となる。一連の取引にホルシムはセメックスに7,000万ユーロを支払う。

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スペイン、チェコ事業の買収については、関連事業の売上高が小規模で、欧州委の審査対象とならないため、スペイン、チェコの競争当局が審査を行うことになっていた。しかし、スペインの案件に関しては、同国当局が国内市場での競争に大きな影響を及ぼすことから欧州委が担当するのが妥当として、審査を要請したことから、欧州委が実施することになった。欧州委はセメックスに情報提供を求めた上で審査に着手する。

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チェコの案件については、引き続きチェコ当局が担当する。ホルシムによるセメックスのドイツ事業買収については、売上高の基準で欧州委の審査対象となることから、すでに欧州委による審査が行われている。

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