2013/11/4

競争法

ブロバンアクセス卸売価格規制の見直し要求、スペイン当局に=欧州委

この記事の要約

欧州委員会は10月28日、スペインの国家競争市場委員会(CNMC)に対しブロードバンドアクセスの卸売価格規制に関する提案を白紙撤回あるいは見直すよう正式に要請したことを明らかにした。同提案がEUのルールに馴染まないためと […]

欧州委員会は10月28日、スペインの国家競争市場委員会(CNMC)に対しブロードバンドアクセスの卸売価格規制に関する提案を白紙撤回あるいは見直すよう正式に要請したことを明らかにした。同提案がEUのルールに馴染まないためとしている。

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スペインの電気通信市場委員会(CMT、現在はCNMCに統合)は1月、国内ブロードバンド市場の活性化に向け、通信最大手テレフォニカのブロードバンド回線を他社が使用してサービスを提供する場合の価格を引き下げることを提案した。これに対して欧州委はCMTの提案は「競争を阻害しブロードバンドへの投資意欲を減退させる可能性がある」と指摘。また、提案で採用されている価格設定手法を使うと、価格がコスト効率の面から適正と考えられる水準を最大で50%も上回る可能性があるなど問題が多いとして、承認を留保する判断を6月に下し提案の検討作業を進めていた。

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欧州委は今回、3カ月間におよぶ検討の結果、「CNMCの提案は透明性を欠いており恣意的」であると指摘。設定価格は正当化できないとの認識を示したうえで、提案の撤回あるいは見直すよう求めた。CNMCは今後、提案を撤回するかEUルールに従って修正する必要がある。欧州委はCNMCが要請に従わない場合には法的措置を検討するとしている。

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欧州委のクルース委員(デジタル政策担当)は、「電気通信セクターにおける競争と投資の適正な条件を提供するためには、各加盟国で価格設定メカニズムにおける価格の安定性と透明性が欠かせない。国によって状況は異なるが、電気通信の単一市場を促進するため、規制の調和を確保することが必要だ」とコメントを発表した。

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